簡単な入門

  1. とりあえず:OmegaTはどのように働くか
  2. OmegaTで、どのように翻訳するか
  3. タグ付けテキストの対処法

ここでは、OmegaTの基本的な使い方を説明します。まずは、OmegaTの提供する機能を理解するため、OmegaTの取扱説明書をよく読んでください。

とりあえず:OmegaTはどのように働くか

OmegaTは、独立して移動できる2つのウィンドウを持っています。左側のウィンドウは、あなたの翻訳文を編集する「編集ウィンドウ」です。 右側のウィンドウは「立候補訳文と語彙ウィンドウ」で、ファジー訳文(上側)と用語集(下側)があります。

OmegaTは、原文ファイルの文の区切りごとに動作し(これを文節と呼びます)、それを翻訳する編集ウィンドウに表示します。そして、あなたの翻訳文を翻訳メモリに追加します。翻訳を行った後(あるいは、あなたが必要なときに)、OmegaTは、原文ファイルの文節と翻訳メモリを使って、訳文ファイルを生成します。

OmegaTは、あなたの翻訳作業を「翻訳プロジェクト」として管理します。プロジェクトごとに、OmegaTは、原文ファイル・用語集・翻訳メモリをコピーしたフォルダのセットを作成します。さらに、OmegaTは、翻訳済みのファイルのフォルダも作成します。

OmegaTで、どのように翻訳するか

1.プロジェクトを新規作成して開く

メニューから、プロジェクト → 新規作成を選択します。

プロジェクフォルダを保存したい場所を指定したら、「翻訳プロジェクト」名を入力します。この名前を、プロジェクトのフォルダ名として使います。すべてのプロジェクトファイルは、このフォルダに保存されます。

続いて、作成するプロジェクトフォルダを設定できる画面が表示されます。これは次図のように表示されます。

新規プロジェクト

サブフォルダの場所は、そのままで構いません。ただし、原文と訳文言語のコードを正しく選択してください。 言語コードまたは言語-国別コードをドロップダウンリストで選択するか、キーボードから入力します。このとき、"target"フォルダの場所を覚えておいてください。ここに訳文ファイルが生成されます。

もしも、OmegaTの文節を段落の代わりに文で区切りたいなら、セグメントルールを確認するといいでしょう。

プロジェクトの設定を確定すると、OmegaTは原文ファイルを追加するよう指示します。ファイルは個別に追加できますが、フォルダ全体の追加もできます(サブフォルダの全ファイルが対象になります)。もしも、間違ったファイルが追加された場合は、プロジェクトの"source"フォルダから、そのファイルを削除してください。

OmegaTが翻訳できるのは、OpenDocumentファイルおよびOpenOffice.org ファイル、HTML、テキスト、Javaファイルなどです。他のファイル形式は、OmegaTは対応していません。

表示 → プロジェクトファイル...を使って、「プロジェクトファイル」が表示されていることを確認した上で、プロジェクト → 再読み込みを選択すると、翻訳できるファイルが一覧に表示されます。一覧リストの最初のファイルはOmegaTの編集ウィンドウに表示されます。

2.文節を1つずつ翻訳する

選択中の文節において, OmegaTは、原文を緑色の背景色で表示します。そして、 <文節 0001> と </文節>という2つのタグの間に、原文のコピーを表示します。2つのタグの間に、翻訳文を上書きしてください。

"ENTER"キーを押すと、次の文節に進みます。

この"ENTER"キーを押したとき、いくつかのことが起こります。まずOmegaTは、翻訳された文節を翻訳メモリに追加します。それから、未翻訳の文節に一致するものがないか、翻訳メモリと用語集を検索します。

もしも、次の文節が翻訳メモリとある程度一致する場合は、「立候補訳文と語彙ウィンドウ」の上側にそれが表示されます。 この文節が、用語集の言葉に一致した場合は「立候補訳文と語彙ウィンドウ」の下側にそれが表示されます。

ある程度一致する原文がある場合、その訳文を編集フィールドに次のようにして挿入できます。

編集フィールドに原文をコピーしたくない場合、あるいは、高い一致率の候補を自動的に挿入したい場合、設定 → 編集フィールドで設定します。

3.訳文ファイルを生成する

翻訳を行った後(あるいは、あなたが必要なときに)、OmegaTは、原文ファイルの文節と翻訳メモリを使って、訳文ファイルを生成します。

訳文ファイルを生成するには, メニューからプロジェクト → 訳文ファイル生成を選択します。 OmegaTは、どれだけ翻訳しているかに関係なく、プロジェクトの「source」フォルダの中に入っている、扱えるファイルの訳文を生成します。

「訳文ファイル生成」を呼び出せば、訳文ファイルの状態をいつでも確認できます。あなたは、翻訳プロジェクトにある訳文をいつでも変更できるし、好きなだけ訳文ファイルを生成できます。

翻訳されたファイルは、プロジェクトの「target」フォルダにあります。

タグ付けテキストの対処法

OpenDocumentファイルや,OpenOffice.orgドキュメント、HTMLファイルでは、書式文中の単語にそれぞれ独自の書式を使っています。たとえば、文全体はイタリックで表示しておいて、文中の単語は太字で表示するという具合です。

OmegaTは、これらの書式を特別なタグを使って表し、それを訳文の中に写せばいいでしょう。詳しくは、OmegaT取扱説明書を見てください。

例えば、

これらの例文では、分かりやすくするために、タグを赤色で表しますが、 OmegaTではこのように表示されません。

これは、HTMLファイルの文節の例文です。

<p><b>表示フォント</b>画面では、別の表示フォントを選択できる。開くには、メニューから<i>設定</i> &gt; <i>表示フォント</i> を選択する。フォント名とサイズは、画面上で変更できる。</p>

これは、OmegaTがタグを赤色で表示する例文です。

<b0>表示フォント</b0>画面では、別の表示フォントを選択できる。開くには、メニューから<i0>設定</i0> &gt; <i1>表示フォント</i1> を選択する。フォント名とサイズは、画面上で変更できる。

これは、このようなタグ付き文をどのように訳すかの例文です(訳文はアフリカーンス語です)。

'n Mens kan 'n ander vertoonfont kies met die <b0>Vertoonfont</b0>-dialoogkassie.Kies <i0>Opstelling</i0> > <i1>Vertoonfont...</i1> op die kieslys.Die lettertipe én die lettergrootte kan met dié dialoogkassie verander word.

OmegaTが訳文ファイルを生成すると、HTMLファイルは次のようになります。

<p>'n Mens kan 'n ander vertoonfont kies met die <b>Vertoonfont</b>-dialoogkassie.Kies <i>Opstelling</i> &gt; <i>Vertoonfont...</i> op die kieslys.Die lettertipe én die lettergrootte kan met dié dialoogkassie verander word.</p>

OmegaTは、タグの入れ間違いを自動的に見つけません。訳文ファイルを顧客に渡す前に、タグの誤りがないか、メニューからツール → タグ検証を選択して確認してください。さらに、ファイルを開いて、確認すれば間違いありません。